偏見はあるけど入れ墨(刺青、タトゥー)を隠さない限りプールや温泉に入れないのは反対だ。

タトゥーや入れ墨に対して、私の中では矛盾した2つの考えがある。

 

私は強い偏見を持っていると同時に、タトゥー差別は解消されるべきだと思っているのだ。

 

偏見があるにもかかわらず、入れ墨(刺青)があることを理由にプールに行けない・温泉に入れない、行くなら隠さなければならない、という日本の現状は間違っていると思っている。もっと言うと、近い将来日本の価値観が変わることを願っている。

 

この記事は、このように一見すると矛盾している「タトゥーをしている人への偏見」と、「タトゥー支持」について、私の主観と意見を書き記したものである。

 

くれぐれもご理解いただきたいのは、私はタトゥーを持つ人を傷つけたい意図はなく、共存したいと思っている。そのためにタトゥーをしている人と私のように偏見がある人のお互いの理解が進めばいいと思って記事にしている。矛盾しているところがあれば、ぜひ指摘していただきたい。

 

本記事は以下のように展開する。

まず、私がタトゥーに持つ偏見、外国人がタトゥーをしていることについての私見を述べる。

次に、同性婚や夫婦別姓を例示しつつ、タトゥーの有無にかかわらず、誰かの権利を制限することが間違いであると指摘する。

そして、どうすればタトゥーへの偏見がなくなるのかを、タトゥーをしていない私が考えたことを述べる。

 

この記事は、ぜひタトゥーをしていない人、特に私のように偏見がある人のあいだで理解が進めば幸いであるし、またタトゥーを持つ人の中で、タトゥーに偏見がある人の思考を知りたいという人にも読んでいただきたい。

 

 

目次を付けているので、読みたい項目から読んでいただければと思う。

 

 

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タトゥーをしている日本人への偏見、外国人がタトゥーをしていること

 

日本で生きる日本人がタトゥーをしていること対する私の偏見

 

まず最初に、ここで述べる私の偏見は日本で生きる人に日本人に限定していることを最初に述べておく。

 

日本という国でとりあえず生きる予定(多くの場合は日本人)でかつタトゥーを入れたという人については、私は身構える。「うわっ」と思う。一瞬ひるむ。

タトゥーをしている人を見ると、一瞬ひるむけれど、それと同時に「きれいだな」とも思う。もちろんモノによるけど、一面に入った和彫りなんかはとても美しい。いけないものを見ちゃったかのような、それでも魅力的なものを見ちゃったような、なんとも形容しがたい気持ちになる。

 

例えば、隠せる場所に入れてて隠しているなら何とも思わない。たじろぐ感じも、きれいだなと思うこともない。だって見えないからタトゥーがないのと同じだし。

 

ただ、タトゥーが大きく目立つ場所に入れていて、かつ隠さないなら、やっぱり色眼鏡で見てしまう。第一印象は少なくとも「良い人そう!」「さわやか!」という感じではない。

 

 

ここまでのタトゥーへの印象は割と無意識というか、目の当たりにした一瞬で得ている。このような一瞬の印象以外にも、私は批判的な意見も持っている。「この日本で生きるのにタトゥー入れなんて後先考えない人なのか」と思っている。

 

日本はタトゥーや入れ墨(刺青)などにとても冷たいのに、明らかに社会的に不利な立場になることがわかっているのに、それでもタトゥーを入れる選択をした人なのだな、と思う。

 

何か重要な意味があるのかないのか、熟慮の末なのか後先考えてない若気の至りなのか、それとも「ファッション」だと思っているのか、いずれにせよ私とは価値観が違うのだな、と思う。

 

例えるなら、「極貧状態だけど、借金してまでハイブランドを買いあさる」のに近い印象だ。

きっとそのような人にとっては、それが大切なことなのだろう。でも私とはお金をかける物事の優先順位が違う。

 

 

私はタトゥーそのものに悪感情があるわけでは無い。後述するが、海外でずっと生きていく日本人がタトゥーを入れていることも、日本人以外がタトゥーを入れていることも、全く気にならないからだ。私が否定的に思っていることは、日本の現状において、タトゥーをすると決断したその事についてである。

 

 

外国人がタトゥーをしていることへの私の主観

 

ここからは日本に来る外国人がタトゥーをすでにしていることについて述べる。

 

上述したように、外国人がタトゥーをしていることについては私は何とも思わない。なぜなら、外国におけるタトゥーの位置づけと、日本におけるタトゥーへのそれは異なるからだ。

 

現代まで続く文化的な(あるいは慣習的な?)文脈が、それぞれの国で異なる。

観光などで日本に来る外国人は、日本の世間体のなかで生きていないし、アメリカで生きるアメリカ人のタトゥーは日本的な価値観ではない。

 

だから、ラグビー選手がタトゥーを隠して温泉に入ることに対しては申し訳なく思う。日本の価値観を押し付けてしまったように感じる。

 

ちなみに、フランスにいる義理の家族(フランス人)はタトゥーをしている人が複数いる。これについても私は特に何とも思わない。フランスの場合タトゥーは完全にファッションらしい。

義理の妹は何個あるのかしらないし、義理の母も、その夫もしている。

 

 

 

タトゥーへの規制(というか差別)と、同性婚&夫婦別姓に対する反対との類似

 

私は日本にいる日本人に対して上記のような偏見を持っているけれど、プールや温泉に入れないことには反対であったりする。

タトゥーの是非というのは価値観の違いの問題であり、例えば金銭感覚が違うからと言ってどちらか一方が悪じゃないように、価値観が違うからと言って、敵ではないからだ。もっと言うと、タトゥーに賛成している人も反対している人も、どちらも絶対的な正義ではない。

 

 

私がこのように思うに至ったきっかけは、主に下記の2つの事柄と、タトゥーの問題が類似していると気づいたからである。

 

まず1つ目は、2000年頃のフランスにおける「すべての人への結婚」への反対運動の映像をニュースでみた時だ。

端的に言うと同性婚OKにしようという動き(法整備)が「すべての人への結婚」である。

映像では、この「すべての人への結婚」に反対する人々、異性婚が絶対的に正しいと思っている人が声高に反対運動をしていて、ピンク色のプラカードが掲げられていた。結構な数だったようだ。

 

それを見ている私は、なぜ同性婚が反対されるのかわからなかった。結婚は結婚する者同士の問題である。同性婚が法的に認められたからと言って、異性婚をする人にとっての実害はない。

 

 

2つ目は、日本における夫婦別姓の問題である。

我が家は国籍が違うので別姓でい続けることが手続き上可能なのだが、どうして日本人同士の結婚ではどちらか一方の姓を名乗るのだろうか。そして、今後夫婦別姓になったとして、夫婦同姓の人々は実際に何がどう困るのか。むしろ楽になる人ふえるんじゃないか。

 

そもそも上記の2件の問題では、私は「好きにすりゃいいじゃん」「誰にとっても何も害はないでしょう」と思っていたのだ。同性婚も夫婦別姓も賛成だ、サクッと法整備していただきたい。

なのに、どうしてタトゥーに対してはこんなにも差別的な考えを持っているのだろう。感情的なものを解消するには一日二日ではどうしようもないけれど、実際的な問題(プールや温泉)については認識を改めることは可能ではないのか?

 

だって、誰かがタトゥーをしていても、私は不利益を被らないじゃん

なら構造的には夫婦別姓や同性婚と同じ。

 

 

タトゥーによって生じるとされる困ったことは、本当に困ったことなのか?

 

他人がタトゥーをしていて周囲が被る迷惑と言えば、和彫り=その筋の人だから怖い、関わりたくない…ということが良く言われる。

しかしこの和彫りの記号は、統計的に本当に和彫りの入れ墨は全員その筋の人なのか、またその筋の人と見分けるのに現在はどれほど和彫りの有無で判断することが有効なのだろうか?

確かに反社会的な人物には私も関わりたくないが、そもそもタトゥーや和彫りで判断する以外にの方法でコントロールしてほしい。「入れ墨(刺青)=その筋」って標識、ちょっと漠然としすぎている。

 

 

またビジネスシーンでの問題もあるかもしれない。タトゥーが顧客に見えると困る…というものだ。

これは理解できる。「スーツを着てプレゼンする」「商談をまとめないといけない」という場面では、相手がタトゥー嫌いであるリスクを回避するために、タトゥーを隠した方がベターだろう。

 

しかし、プールや温泉では別だろう。ビジネスの相手とプールに行くのか?プールや温泉に行くのはプライベートの方が圧倒的に多いはずだ。言わずもがなビジネスではないので、私はタトゥーは隠さなくてよいと思う。

 

あと私個人の事情だと、フランスの家族にタトゥーしてる人が多いので、日本に来て一緒にプール行く時「タトゥー隠してね~」っていうの嫌ってのもある。

 

 

日本でのタトゥーへの偏見を変えるには?

 

自分の身体の主は自分である。

 

フランスにおけるタトゥーは、ほぼファッションの要素しか見えないが、日本では別の側面が見える気がする。

私のようなタトゥーと距離を取っている者からすると、タトゥーは視覚的なファッション性だけではなく人体改造に近い要素もあると思う。やり直しはできるけど、ドレスを着替えるように気軽にはできないからだ。物理的にも、衣服を着替える事よりは整形手術に近い気がする。

 

タトゥーは自分の肉体を主である自分がコントロールする行為だと言い切ってしまうと、賛同しやすい人もいるのではないか。

 

「自分の身体なのだから、自分が好きにしてよい。」

 

とするならば、中絶手術の是非とも土俵が同じになるし、整形手術とも同じだと思う。私はもろ手を挙げて賛成である。タトゥーを入れたい人が入れればいい。ちなみに私はタトゥーは入れないけれど、脂肪吸引をしたい。

 

 

歴史を知って現代日本の価値観を相対化する。

 

私は、日本で生きるのにタトゥーをするという判断をした人とは、価値観が合わないと思っている。

この私の価値観は、現代日本の保守的な価値観を前提にしているので、その価値観の枠組みが変われば否定的なものの見方も変わると思う。「戦争では人を殺すと英雄扱いだったけど、今は犯罪者」みたいに判断の基準、土台、価値観が変われば良いのだ。

 

そのために、入れ墨(刺青)の歴史を知ることは有効なのではないかと思う。

特に和彫りは「その筋の人」という印象があるが、それはいつからなのか?日本で入れ墨が歴史上に出現してからずっとそうなのか?

 

この印象ももとをただせば日本の近代化によってくさびを打たれたようなものだ。

江戸時代は、入れ墨をしたヒーローがいたし、身体一面の入れ墨は火消しやとび職の衣装のようなものだったらしい。

沖縄には既婚者のあかしとしての入れ墨があったし、それは憧れの対象で、「美しい」という感情の対象だった。

※詳しくはこちらの記事を。わかりやすかったのでおすすめ。>>「日本の入れ墨、その歴史」

 

そもそも私たちが入れ墨、タトゥーに抱いているマイナスなイメージは、日本でも時代が変われば良いモノだった。価値観は作られたもので、絶対ではないのだ。私もこのような記事を読んで、ちょっと視野が開けた印象だった。

 

 

オリンピックを契機として、とりあえず解禁してみる。

 

私が偏見を持っている原因の一つに、タトゥーや入れ墨を目にすることが少ないといのもあると思う。身近な友人の間でタトゥーをしている人はいない(見える範囲では)。

 

身近にないのが偏見を助長しているとするならば、思い切ってタトゥーを隠さずに使えるプールとか温泉を作ってしまって、そこでみんなで和気あいあいと過ごせばいいのではないだろうか。

 

オリンピックもあることだし、いい機会だと思う。外国との関係において自国の問題をどうこうしうようというのがとても近代日本っぽくでダサいけれど、でも機会は有効に使った方が良い。

 

 

おわりにータトゥーは隠すべきなのか?

 

この記事の執筆にあたり、1週間ほどタトゥーについて考えていた。その間、私がいかに偏見を持っているかもわかった。

 

私は冒頭でも述べたように、タトゥーや入れ墨(刺青)を入れている人に割と偏見がある。現代の日本でタトゥーを入れるという選択肢をとったことに価値観の違いを感じている。心情的にはタトゥーを良く思っていない人に近いと思う。

 

しかし、私がタトゥーに偏見(またはそれを良しとする価値観)を持っているからと言って、そのタトゥーへの偏見を理由にタトゥーを入れている人の行動を制限し、権利を限定させる、という権利は私には無い。偏見を理由に他者を差別することは全く正しくない。

 

タトゥーには視覚性か伴う。視覚性をファッション性ということが妥当なら、TPOの問題が発生する。ある場面でそれにふさわしい服装=ファッションをするのがTPOであるとするなら、タトゥー=ファッションもTPOでコントロールされる対象なのかもしれない。

 

とある統計によると、タトゥーをしている人のうち7割の人が服の下でかくれることろに入れているらしい(詳しくはこちら)。ビジネスシーンでは隠しているという話もある(ただし統計的にどうなのかわからないけど、この記事)。

私は個人的には、ビジネスシーンでは、利益を最大にしてリスクは最小にすべきなので現状ではタトゥーを隠した方が良いと思う。

 

しかし、プールや温泉でまで隠せと強制するのはやりすぎな気がするのだ。どれほどの人が、プールや温泉に商談相手と入るのだろうか?飲み会ならまだしも、客と一緒に大浴場に行くだろうか?もしそういうビジネスがあるなら、もしかしたら隠す必要もあるだろうが…

 

また冒頭で、外国人はOKで、日本人はNGというように線引きをした。これについても、人種や国籍などの差別につながるように思えてくるが、そこまで考えが及んでいないので今回はご容赦願いたい。文化的なものには時間や文脈が不可欠なので、その文脈の違いを一律にボーダーレスにするのも難しいとも思っている。

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