【チャイルド・フリー】子供を持つ/持たないというのは、1つの選択肢でしかないということ【Childfree】

【チャイルド・フリー】子供を持つ/持たないというのは、1つの選択肢でしかないということ【Childfree】

2021年5月30日 0 投稿者: goldeneuglena

私達夫婦は2人暮らしで、夫も、そして妻である私も「子供を欲しくない」「子供を作る選択をしない」と思っている夫婦です。以前、当ブログでは「子供を欲しくないという気持ちを持つ私はおかしいのだろうか」という、子供を欲しいと思っていないことによってどこにも所属していないような私の不安感について記事にしています。

そんな私は、フランスに滞在中は以前にもまして夫の家族と交流が多く、その中で年の離れた義理の妹(もうすぐ6歳)とも日常的にコミュニケーションを取っていましたが、このような生活を送ってもなお、私は「子供欲しい」とは思わなかったのです。

「子供と実際に交流することで、私でも『子ども欲しいな』と思うのかしら?」と思っていたのですが、むしろ、日仏の幼児教育の違いも相まって、「子供すごく苦手だ…」(記事へ)と思うに至ってしまいました。

子供のいる日常というのはそれなりに面白いこともあるのですが、私や、そして私以上に夫にとってストレスの方が多く、実際に体験したことで「やっぱり子供はしんどいな」と再確認でき、その意味ではとても有意義な日々でした。

しかし、この子供のいる大変さというのは、実際に子供を持たずとも事前に想像できたことと大差なかったのです。となると、気になるのは、それでも子供が欲しいと思った他の人の心理です。

きっと誰しも、子供を育てるのは大変である&ストレスも多いぞ、というのは子供を産む前に把握していたことでしょう。それでも、世の中のマジョリティは子供を産んで育てるという選択をしたということなのです。それは何故なのでしょう?

そこで夫の家族、特に義理の妹のお母さんである義父の奥さんに思い切って「どうして子供を欲しいと思ったの?」と聞いてみたところ、以前の所在なさげな不安感から私自身の意識が少しアップデートされたので今回記事にしました。

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子どもを欲しいと思った理由を聞いても全く共感できないなら、それはそれで普通

ある夜、この時聞かねば聞くタイミングを逃すだろう、という雰囲気で、思い切って聞いてみたのです。

「どうして子供を欲しいと思ったの?あるいは何か、タイミングとか、きっかけがあったの?」と。

こんな直球な質問に、ちびっこ義妹ちゃんのお母さんは快く答えてくれました。

彼女は「愛を分け与えたかったからかな」と。

私はこれを聞いて、「なるほど、これはお互いに共感できる地点を共有することができないのかもしれない!そういうものなのかもしれない」と思いました。

私は彼女の答えを聞いても、共感できなったのです。例えば、私が愛を与える人間は夫で事足りていると思っているので、子供がいる必然性が理解できなかったのでしょう。

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子どもを欲しい/欲しくないは、辛い物を食べれるか否か、みたいな…

彼女の話を聞いて気付いたのが、子供が欲しい/欲しくないという欲求または感情は、それ自体が根源的なもので、その背景に理由はないんだな、ということ。

そしてそれ以上、理由を探さなくても良いのだ、ということ。

ちびっ子義妹ちゃんのお母さんの言う「愛情を分け与えたい、その対象は我が子が良い」というのは既にゆるぎなく決まっているので、もうそれ以上でもそれ以下でもないのです。

そして私が思う「子ども欲しくない」というのも、やはりそれ以上でもそれ以下でもない

例えるなら、食事の好みや、好奇心の対象。

辛党で唐辛子なんかの辛い物を食べられるかどうかって、もう答えは決まって、ほとんど動かないですよね。ただ、体質的にまたは味の好みとして食べられるか否か。

あるいは本が好き、読書好きかどうか。これも人によってほぼ傾向が決まってる。読書が嫌いな人が突然活字中毒になるなんて、そうそう起きるものでもないでしょう。

ただ、そういうものなのです。

子どもを欲しい/欲しくないっていうのも、そういうもんなんじゃないか?と思うのです。だから、これは分かり合えなくても、それで良いのです。

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なので背景を説明しなくても良いという風潮で

読書嫌いの人に「なぜ読書嫌いなのか」って問いませんよね。辛いのが嫌いな人に理由を聞かないですよね。だって、それ以下でもそれ以上でもないから。「へぇ、そうなんだ~」と返答して、特に追求しないでしょう。理由なんてないのです。

でも、「子ども欲しくない」という場合、何かしら背景の説明が必要な風潮ありませんか?

トラウマがあるとか、幼少期に良くない思い出があるとか、親がどうこうとか、コンプレックスだとか…

または、上記のような個人の内面的な理由を求める以外にも、何かしらの理性的な理由付けが必要な雰囲気、ありますよね?

子ども一人当たり産むのにCO2のコストがどれくらいだとか、経済的なコストとか、地球規模で考えた場合に人口過多であるとか、これらに付随する将来の食糧問題とか…

そういうの、もういいんじゃない?と思うのです。

少なくとも私は自問自答しても、実際に身近な人に聞いてみても、何も確かな原因というか理由は出てこなかった。それ以上の発見はなかったのです。私はただ、子供が欲しくない。それだけなのです。

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おわりにークロエ・ショデ(Chloé Chaudet)という文学者による子供を持たない選択についての本を読みたい

2021年4月15日、文学者のクロエ・ショデ(Chloé Chaudet)氏がJ’ai décidé de ne pas être mèreという、母親にならない=子供を持たないという選択肢についてを本を出版しました。

私は未読なのですが、YouTubeにインタビュー動画があり、とても共感するのでぜひ読んでみたいのです。ここではインタビューから共感した箇所をご紹介します。>>YouTubeで動画を見る(フランス語)

まず本を書いた狙いの一つですね。

曰く、子供を持たないという選択肢についての証言は、少なくとも現在のフランスでは、いわゆる「アカデミック」(大学であったりフェミニストであったり専門家であったり)という閉じた世界でから出ていないので、それを打開したいというものもあるようです。

なので結果としては、専門的な内容であったり、個人的なものであったり、映画や文学などの側面からであったり…と、専門と大衆の間のような感じ、とのこと。そして自分のような女性からの反応が欲しかった、と言います。

曰く、自分が子供を欲しくない(作らない)ということを表明すると、その後に続くのが、まるで孤独ではないことが幸せを保証するかのような「寂しくないの?」という問いかけや、まるで子度をも作らないという選択が不可解なものであるかのような「後悔しないの?」などの問いかけ、あるいは継続的で良好なカップル関係であるにも関わらず「まだ良い人に会っていないからよ」などと言われたり…..。

すっごくわかりますね。子供を作らないということが、選択肢の一つとして市民権を得ていないことから、このような周囲の反応につながるんでしょうね。だから最近、私も積極的にここで「子ども欲しくない」って声を上げ続けているんですよね。選択肢と、それを選ぶ私の存在を知ってほしくて、声を挙げられる人だけでも何か言った方が良いのかな、って。

でもこういう状況は私やショデ氏だけに例外的に降りかかっているわけでは無いのです。動画内のデータを孫引きしますと、曰く、INED(institut national d’études démographiques)が2016年に行った調査では4.5%の18歳から79歳のフランス人女性は子供を欲しくない(欲しくなかった)のですって。

ということは、割合で見ると多くは無いけれど、人口で考えると結構な数のフランス人女性は子供が欲しくなかった、ということになる、らしいのです。さらに、特に環境問題に関連して未来を不安視する人が増えていることを考慮するなら、おそらく数字はもっと増えるだろう、とショデ氏は言います。

また私が一番グッと来たのが、ショデ氏自身は反・子供というようなプロパガンダを展開するのが目的ではなく、そうではなくて、子供を作らないという女性も、どちらが良いとか悪いとか、価値があるか無いかではなく、他の女性と同じような位置づけであるということを言いたい、という点。

そうなんですよ、私は私のような人間の存在をフラットに知ってほしいというか、人生の選択の一つであると認知されたい、みたいな感じなんですよね。わかる、わかるよ…。

こちらの本、読んでみたらまた書評を書きたいと思います。日本語にも翻訳されたら嬉しいねぇ。

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アップデートされた思考のまとめ

「子ども欲しくない」っていう選択肢が普通になればいいのに、と以前から思ってはいたのですが、さらに最近、以下の2点がアップデートされました。

①「子ども欲しい/欲しくない」は根源的なのでこれ以上、追求してもさらに深い答えは出ないのだという悟りみたいな認識

②私個人としても、子供を持たない選択肢が普通になるようにサラッと表明し続けようという決意

「なんで私は子供欲しくないのに、周囲の大多数は子供欲しいんだろう???」みたいな問いの渦から脱出できたことは結構大きな一歩。また子供を持たないことが選択肢であるという他人の主張にも触れられて、共感できる依り代が見つかったのも心強いです。

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