
「わからない」ということ、自分の物差しでのみ理解できる。
2020年5月11日テキサス州は徐々に経済活動が解禁される(された?)ようですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
管理人は新型コロナウイルスの直接の影響というよりも、それに関連した二次的なもの、小さな衝突が気になるこの頃です。なんかもう、私達は思っていたよりも「わからない」ということを忘れてしまう、または「わからない」ということを無視してしまう、むしろ「わからない」ことに気づかないのだなぁ、という内容です。
きっかけはバイリンガールのChikaさんが炎上しちゃったり、自粛警察とか正義マンとかの話題を頻繁に目にしたり、身近なところで起きている出来事だったり、です。
毒にも薬にもならぬ記事だけど、こういうのをダラダラと書いて整理しているときが一番楽しいんだよね、ブログ。
新型コロナとYouTuberの炎上に思うこと。
この問題を考え始めたのは多分割と前、バイリンガールのChikaさんが炎上した件がきっかけでした。たぶんご存じの方も多いと思います。ざっくりいうと、日本で自粛が言われ始めた時期にマレーシアに再渡航し、その後再度日本に帰国する。しかもシアトルからご両親を日本に呼び寄せる、みたいな内容です。
批判的な意見も多いなか、私は「もし私がChikaさんだったなら、タイミング的にマレーシアに行くべきではないという判断はするだろうか?」という点を考えていました。
Chikaさんの渡航に関して時系列順で並べてみた。
ちょっと気になったので、マレーシア側と日本側のコロナウイルス関連での制限や規制について調べて時系列順にしてみました。できるかぎり集めてみたけど抜けもあるかもしれないので、情報抜けてるよ~とかあったら教えてほしいです。
2月16~17日 日本政府 専門家会議 不要不急の外出を控えるように呼びかけ
https://www.asahi.com/articles/ASN2J74JVN2JULBJ006.html
https://japanese.engadget.com/jp-2020-02-16-corona.html
ただし、この時は「不要不急」の定義があいまいだった模様。
https://business-career.jp/articles/Tb9noShHbNywMwwvAxeY
2月末:Chikaさんマレーシアに再度入国
2月27日:マレーシア保健省、日本等への渡航を延期するようマレーシア人に勧告
3月6日までの情報ではマレーシア側で北海道滞在者を除き入国制限なし
この頃Chikaさんマレーシアに再入国した動画をUP
3月16日:マレーシア行動制限令を発表…3月18日~31日まで
発表では「観光客及び外国人渡航者の入国は全て禁止する。」とされていますが,外国人の出国についての言及はありません。
Chikaさんマレーシア入りから約2週間後、マレーシア側が外国からの入国を規制。
3月18日:マレーシア入国規制が開始。
ちなみに日本の外務省による「外務省安全ホームページ」のマレーシアに関する3月18日00時25分の更新では以下のように記載。
在留邦人,マレーシア旅行中もしくはマレーシアへの旅行を検討中の皆様におかれては,今次「活動制限令」の内容をよくご確認いただくとともに,各種メディア及びマレーシア関係当局から,最新の情報を入手するよう努めてください。
ソース:「外務省安全ホームページ」の3月18日00時25分の更新
また同日、外務省は全世界を対象に注意発令(レベル1十分注意してください)。メールで「全世界」というワードに圧倒された人も多いかと思います。
3月25日:マレーシア、行動制限令を4月14日まで延長することを決定。
ソース:「外務省安全ホームページ」
日本外務省 マレーシア全土をレベル2「不要不急の渡航中止」
ソース:外務省「海外安全ホームページ」東南アジアに対する感染症危険情報の発出
3月31日:日本外務省 マレーシアをレベル3「渡航中止勧告」
ソース:外務省「海外安全ホームページ」全世界に対する感染症危険情報の発出(レベルの引き上げ又は維持)
4月3日:この日Chikaさん「帰国します」動画がUPされる。
こんな感じ。
確かに2月中頃には日本は「不要不急の外出は控えて」と言い出したけど、このころは「不要不急」の定義が決まってなかったようです。またマレーシア側も3月半ばすぎてから入国を規制し始めたのですね。ここから一気に状況が変わった感じでしょうか。
このような状況で、私がChikaさんのような大手YouTuberだったなら、2月末に渡航を中止するという判断はできただろうか…と想像してみるのですが…できない気がする。むしろ「渡航するなら今だ!」くらいには思ってしまいそう。
サンアントニオで私が感じていた状況の変化。
サンアントニオの話をすると、テキサス州に非常事態宣言が出されたのが3月13日で、その後たたみかけるように、15日にはCDCのガイドラインが50人以上人が集まるのやめた方が良いってことになり、翌16日には10人以上早めた方が良いとされ、1週間後の24日にはサンアントニオの外出禁止令が出ました。
こんな感じで3月後半は一気に状況が変化していく中、3月14日には夫とお出かけしてます。結婚記念日だったのですが、夫婦で「レストラン行くのどうかな?一応営業はしているけど」「でももしかしたら、これが出かけられる最後のチャンスかも…」というような会話をしたことを覚えています。実際、これが外出禁止前の最後のお出かけになってしまった。
肌感覚としては、確かに13日のパニック買いには驚いたし本当にヤバイなと思ったけれど、14日の時点ではサンアントニオにおける感染者数は2名で、この時はまだ市中感染は確認されてなかったし、公式に外出禁止とも言われてないしで、外出禁止令が出るまで先を見越して危機感を持って行動できたかというと、そうでもないと思うのです。
「まだ大丈夫かな~」とか思ってた日々から約1間で状況がガラッと変わった感じなのです。今後深刻になるかもなという想像はぼんやりと少しだけ、それよりもまだ全然楽観視してた部分の方が多くて、世界各国で、国境や都市が封鎖される未来なんて予測できなかったです。
私自身のこのような心の動きと実際の行動を振り返ると、Chikaさん一家が渡航禁止もロックダウンもされてないマレーシアに再渡航するというのも、さもありなん、と責められない気がするのですよね。
ぶっちゃけ日本のこともNYCのこともわからない。
海外に住んでいると、どうしても肌で感じる日本の雰囲気についてはわからない部分が多いです。YouTubeで見れる日本のニュースでは、「自粛」と言いつつも何故か混雑する街の様子がよく流れていた印象です。
友人が住む自治体や実家のある自治体も感染者数等の情報は数字として把握しているけれど、雰囲気はわからないので、なんとも理解したとは言い切れない感じなのです。そうすると余計に心配してしまうのですが、心配してもどうにもできない…。
私はおそらくニューヨーク市の状況についてもそこまで共感的には理解していない気がします。数字的にすさまじい状況だというのは把握しているのですが、とてもとても遠くに感じます。
ドイツとフランスの2人
義妹の彼氏はドイツ人です。2020年の初めに2人ともワーホリ先のカナダからヨーロッパに帰国し、現在はそれぞれの家族の家に身を寄せています。
つまり義妹はフランスの家に、彼氏はドイツの家にいるので、欧州で移動の自由が制限されて以降はもう5か月ほど遠距離です。
そしてドイツは経済活動を再開し始め、人数に制限はあるものの集会もできるそうです。フランスも外出禁止を緩め経済活動を再開する方向でかじを切ったわけですが、ドイツと比較するとまだ緊張感があります。つまり欧州のお隣同士の国ではあるけれど、それぞれに状況が違うのです。物理的に離れているとお互いの状況に対する肌感覚も理解できないし、危機感や解放感を共有するのが難しい場合もあるようなのですね。
おわりに-思いやりより、さっさと「わからない」と白旗をあげたい。
私達は、ニュースやSNSで遠く離れた国や地域の情報をとても速いスピードで入手できます。外国語を読むことが可能な人であれば、さらにその速度は加速します。
遠くに住む友人とも顔を見て通話することができます。待ち合わせ時間を決めればアメリカと日本で飲み会なんかもできてしまう。
こういう便利さ、スピード感は、「理解できていない」という可能性をごまかして、「理解できる」と思い込ませてしまう気がします。本当はわかってないことも多いはずなのに。
こういう話題は「思いやりを持とう」とか「想像力を持とう」とかいう結論に持っていかれがちな気がするのですが、私はそんな思いやりとか想像力って、限界があると思うのですよね。それより「わからない」と白旗上げた方が楽かな、と思う次第。
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