【3月22日更新】アメリカにおける新型コロナウイルス対応と街の雰囲気ーテキサス州サンアントニオの場合
2020年2月17日※3月22日に更新。
中国・湖北省武漢を中心として感染が拡大し、各国に被害をもたらしている新型コロナウイルス。最近ではイタリアやイランなどでも大きな被害が出ているようですね。
私がツイッターでフォローさせていただいている方々は日本国外に居を構えている方が多いのですが、そんなツイッターの最近タイムラインでは「コロナと言われた」など、差別的な扱いを受けた事例が時折見受けられます。
2月16日現在の各国の感染者数を概観すると、中国と日本を除けば実際の感染者数はそれほどでもありません。
3月22日現在、アメリカでも感染者が増えています。国としては勿論、テキサス州やサンアントニオでも非常事態宣言が出ており、パニック買いが起きております。
今回は私が居住するテキサス州サンアントニオにおける新型コロナウイルス関連の状況を、私の観測範囲内に限定される内容ではありますが、書き留めておこうと思います。
Contents
テキサス州における新型コロナウイルスへの対応-サンアントニオを中心に
2月7日に湖北省武漢から引き揚げの飛行機が到着し、14日間隔離されることになっています。拠点となる軍の基地はアメリカで4つあり、うち一つがサンアントニオの Lackland空軍基地です。
ここではニュースで拾った情報をまとめていきます。可能な限りソースを張っておくので、元記事も確認してみてくださいね。
夫の職場は中国武漢への出張を全面的に中止
1月のうちに夫の職場では武漢への出張が全面的に中止が決定され、その後も禁止の状態が続いています。2月16日現在も出張禁止は継続中。
3月初めの会議とかプレゼンとかは中止になりました。
2月13日、テキサス州に新型コロナウイルスの感染者が到着
現在サンアントニオで新型コロナウイルスへの感染が確認された方は、アメリカ政府のチャーター便で武漢から帰国してきた人で、サンアントニオの空軍基地で隔離されています。
隔離された状態で、サンアントニオの地元の病院で治療を受けています。
テキサス州によると、サンアントニオやテキサス州の他の地域の人の感染リスクが上がるとかそんなことはなく、相変わらずリスクは低いそうです。
ソース:テキサス州政府の公式情報。
またCNNや地元紙によると、患者さんが入院しているののは、サンアントニオ北部のMethodist Texsan Hospitalのようです。
ソース①CNN:コロナウイルス関連記事のまとめ
ソース②San Antonio Express News:Update: Coronavirus patient under quarantine at Lackland transported to Methodist Texsan
さらに患者さんが治療を受けているサンアントニオの地元病院の病室は、病院内の他の部分に空気が戻らないように設計されている病室とのこと。他の部屋よりも気圧が低いつくりのようです(他より気圧が低いので、患者さんのいる病室から外に空気が流れない)。
ソース① San Antonio Current:CDC Confirms a Single Coronavirus Case in San Antonio Posted By Sanford Nowlin on Thu, Feb 13, 2020 at 9:56 am
ソース② San Antonio Express News:Coronavirus is confirmed in patient under quarantine at Lackland
治療にあたっている医療関係者の方々も、 personal protective equipment(防護服?防疫服?と訳すべきでしょうか?)を着ているとのこと。
San Antonio Express:Update: Coronavirus patient under quarantine at Lackland transported to Methodist Texsan
ということなので、今のところサンアントニオ市を含むテキサス州で感染するリスクが高くなる感じではないようです。治療を受けている病室も感染症に対応できる空調で設計されていますし、医療チームも防護服に類するものを着てるっぽいので、安心しました。患者さん、無事に回復しますように。
2月24日現在、サンアントニオでは合計で6人に(2/24追記)
やっぱり徐々に感染者数が増えているようですね。
5人はダイアモンドプリンセス号からの帰国者の方々です。2月21日(金曜日)に2人、その後3人の陽性反応が出たと。
一番最初に武漢から帰国した1名は先週に回復傾向にあったそうですが、まだ入院は継続しているようです。
もちろん患者さん達は現在隔離されています。
3月3日追記:一度陰性で退院、のちに陽性で再隔離
日本語でもニュースになっているのですが、現在(3月3日)サンアントニオ市は非常事態宣言がでています。
ロイター「米サンアントニオ市が非常事態宣言、クルーズ船乗客の検疫延長へ」
どうも一度テストして陰性だった人が再度陽性になったようです。
KENS5によると、1人の隔離対象者について、テストで陰性だったので土曜日(2月29日)に隔離を解除した模様。でも、その後ふたたび陽性反応が出てたので再度隔離されたと。この方は陰性反応で退院した際、サンアントニオのベクサー群を移動していたみたいです。
ソース:Bexar County joins San Antonio in declaring public health emergency over coronavirus
ソース:CDC: Coronavirus patient released in San Antonio later turned up positive for infection
nprによると、この方はサンアントニオ市内に約12時間いたらしいのですが、その間、大型ショッピングモールやフードコートにも滞在していたとのこと。翌日曜日の午前2時に体調が悪くなり救急車でthe Texas Center for Infectious Diseaseに運ばれたみたいです。
ソース: Coronavirus: San Antonio Says Evacuees To Leave Quarantine After CDC Changes Protocol
テストは2回陰性だったので隔離は終わったわけですが、過程がちょっとごちゃごちゃしてるので上記のnprの記事を参考に説明します。CDCのルールだと、2回陰性が出ればOKみたいなんですが、この件ではなぜか合計で4回してます。
1回目は陰性、2回目はあやしい(陰性と結論付けられない感じ)、3回目の結果が出る前に4回目の検査を実行(しかも4回目は専門の人がやってないっぽい)。
1回目と3回目が陰性だったので退院、でも4回目で陽性…ということのようです。
Texas Tribuneによると、この4回目の検査では「弱く陽性」を示したようです。何なんでしょうね「弱い陽性」って…。しかもやっと隔離から解放される!と思ったらぬか喜びだったわけでしょう。可哀そうすぎる。同記事によると、どうやら武漢から帰国した方(サンアントニオに最初に到着したチャーター便の?)みたいです。
ソース:Patient with “weakly positive” test for coronavirus was released for a time in San Antonio
3月1日~22日現在までの新型コロナウイルス&サンアントニオ関連の情報の時系列
個人的に重要だなと思うことをサンアントニオ・エクスプレスの時系列記事から抜粋しています。最新情報&そのほかの情報はこの参照元の記事が分かりやすいので、参考にしてください。
2日:サンアントニオ市が公衆衛生緊急宣言(public health emergency)
11日:UTSAなどの大学が春休みを延長、遠隔授業に。CPS(電力会社)は電気料金を滞納している場合でも電気を切らないとか。
13日:空軍基地で隔離されている人々以外でのコロナウイルス感染者を確認、テキサス州外の旅行関連の感染者の模様。さらにフィエスタが11月に延期に。グレッグ・アボットテキサス州知事、a state of disaster (13時02分)。トランプ大統領、国家非常事態宣言(5時53分)。州で最初のドライブスルー検査がサンアントニオで実施されることを明らかに。
※パニック買いに遭遇したのは、この日のテキサス州のa state of disaster 直後。非常事態宣言に誘発された感じ?
15日:HEBは8時から20時までの営業時間に。
16日: University Health System の教授が陽性、旅行関連ではあるが上述までの旅行関連3件の感染者と同一なのか否かは不明。サンアントニオ市長、公衆衛生緊急宣言をレベル3にあげ50人以上の集会等の禁止。※a third public health emergencyをレベル3と訳していいのか…
17日:ナチュラル・ブリッジ・キャバーンズ洞窟、3月末まで休館。サンアントニオ市で新たな感染者2名確認(うち一人はヒト-ヒト感染)。この日合計感染者数が11人に跳ね上がる。
18日:サンアントニオ市長はレストランやバーを閉じるよう、ドライブスルーとテイクアウトは営業中。またその他の商業施設やジムも閉じるが、食料品店と薬局、ガソリンスタンドは営業OK.
感染者の話題はあえてここには書いていません。最初は州外・アメリカ国外への旅行から帰ってきた人に陽性反応が出ていたようですが、いつの間にか感染者が増えており、感染経路が不明(旅行関連ではない)が出てきているようです。
とはいえ、不安になっても仕方がない。我々一般人がやることは特に変わらないのです。
帰宅したら手洗いしましょう。しっかり寝ましょう。健康的に食べましょう。適度に運動しましょう。ネガティブになりすぎないようにストレスも解消しましょう。
そして、お気に入りのレストランがデリバリーやテイクアウトで営業しているなら、ぜひ利用しましょう!
3月初頭まではさほど影響見えなかったテキサス州サンアントニオにおける新型コロナウイルス
※ここからはあくまでも私個人が感じた印象です。
金曜日(2/14)は2時間ほど、公共バスを利用し近所のスーパーに買い出しに行きました。
土曜日(2/15)は徒歩圏内のカフェに約3時間ほど滞在し、その後昼食を食べに最寄のハンバーガー店に行きました。
また更にそれ以前、夫とともに2月8日にハンバーガーを食べにレッドロビンに行きました。
上記通り外出していましたが、2月16日現在までに新型コロナウイルスに関連して差別的に扱われたようなことはありません。
私は2月初頭の外出以降、新型コロナウイルスに関する情報が深刻さを増すにつれ自分自身がアジア人として差別対象になるのではないかと恐れていました。
しかし実際には取り越し苦労というか、差別的な言動や扱いは現在までに受けていません。
私が基本的に部屋に引きこもっていることが多く、外出が少ないためひどい状況に遭遇していないだけかもしれませんが…。
また街中の様子としても、感染を恐れて緊張感があるというような印象もなく、バスの運転手さん&乗客もマスクなどはしていませんでした。最寄りのスーパーの人も特にマスクをしている訳ではありませんでした。
例えば、スーパーや薬局でマスクが目立って売られている、または売り切れているという状況も目にしてはいません。
2月29日追記:差別などもなく、意外と普通
2月27日(木)と28日(金)に外出しましたが、街中はいつも通り穏やかでした。
「ほとんど夫(非アジア系)と一緒に行動しているから差別的な扱いも受けないのかな?」という考えも過ったのですが、木曜日は一人になるタイミングもあったにもかかわらず、いたって普通の扱いでした。誰も私の顔を
ジロジロみることもなく、避けることもなく、ましてや暴言を吐かれるなんてことなど一切なく、普通の週末を過ごしました。
3月1日追記:最寄りのウォルグリーンとCVSに行ってみた。
日本からのニュースで、トイレットペーパーとかマスクなんかを買い占めなのか何なのか不足しているという情報が聞こえてきています。アメリカでもそういう話もちょいちょいTwitterで見かけるようになってきました。
では実際、ここテキサス州サンアントニオではどうなんでしょう?ということで、家の近くのウォルグリーンとCVSに行ってみました。
最寄りのCVSではそもそもマスクを販売してない?
まずマスクについては、最寄りのCVSでは販売していないようです。売り場自体が見つかりませんでした。
次にハンドサニタイザー。棚にはまだありますが、なくなっている種類もあります。これは後々補充されるのか、在庫がないのかはわかはわかりません。
ストラップがついてるCVSブランドものはまだたくさんありました。
ちなみにトイレットペーパーはたくさんあります。
ウォルグリーン:マスクが見当たらない?
ウォルグリーンではマスク売り場は発見できたのですが、写真でわかるようにマスクだけゴッソリ売り切れ。これはコロナウイルスのせいなのでしょうか?(断言もできない)
次にハンドサニタイザーはまだかなり売ってました。
レジ横にもあります。
ちなみにトイレットペーパーはブランドによってはないですが、全体としては全然残ってるという印象。
※今回のアメリカのドラッグストアの状況は偶然かつ一時的なものなのか、コロナウイルスによるものなのか、私には断言できませんことを注記しておきます!
非常事態宣言で地元スーパーでパニック買い?…空っぽの棚、不足品。
3月7日の様子:最寄りのHEB(地元スーパー)では一部商品が品薄
3月6日金曜日に最寄りの地元スーパーHEBに行ってみました。まずトイレットペーパーはいつも通り、全然在庫あります。
日本食品を多く取り扱うスーパーではないのであまり関係ないかと思いつつ、一応日本米ではない長いお米売り場も見てみました。全然大丈夫。
ちょろっと置いてあるアジア系食品の棚も特に異常なし。錦(お米)もいつも通りあります。ここまでは以上なし、「サンアントニオ民、意外と冷静やんか!」と思っておりましたら…
ハンドソープ&ハンドサニタイザーがかなりの品薄!
購入制限もかかってました。とはいえおひとり様4つまでなんですね。多くない?
この辺はマスクと使い捨てのゴム手袋。ないですねぇ。マスクはおひとり様2つまで、ゴム手袋は4つまで。ゴム手袋って何に使うんですかね?握手するとき?
こちらはお掃除コーナーにあるウエットティッシュ。おひとり様4つまででよろしくお願いします。
…というような感じで、先週の金曜日からスーパーの状況がガラッと変わりました。これも非常事態宣言(2日月曜日)を含めたコロナウイルスの影響でしょう。
あ、夫が精製水を箱買いしている人をHEBで見た!と申しております。もしかしたらハンドサニタイザーを手作りするのかも?とか思ってみたり。
ただ3月5日にパールのナイトマーケットに出掛けた際はイベントも盛況でしたし、差別的な扱いも一切受けていません(夫と一緒だったからかも?)。
3月13日:地元スーパーHEBの雰囲気が一変
のんきに「ハンドサニタイザー売り切れだなぁ」と思っていた先週から雰囲気は一変しました。最寄りの地元スーパーHEBではパニック買いが発生していました。
極端に品薄・または在庫なしだったものは私が確認できただけで、
- ジャガイモ
- タマネギ
- トマト
- 冷凍食品
- 鶏肉全般
- 牛ひき肉
- 缶詰
- 米
- 小麦粉
- 砂糖
- 水
- トイレットペーパー
店内はお客さんが体感的にいつもの3倍ほどいた感じで、殺伐としていました。いつもは後ろの成分表示見たり価格を比較しながらゆっくり買い物しているのですが、13日は「そんな悠長なことしてられない」「のんびりしていたら欲しいモノを横取りされかねない」そんな雰囲気でした。店内でアルジェリア人とちょっと話したのですが、まるで戦争だ!と。
ちょうど州知事が非常事態宣言をした2時間後くらいにHEBに行ったので、もろに集団心理の影響に直面してしまった感じでしょうか。
さて、トイレットペーパーを探しに最寄りのWalgreenに行ってみたところ、
2月末には普通に売っていたトイレットペーパーが、約2週間で全く在庫ゼロに。状況が2週間で一変したことがよくわかると思います。
3月19日:パニック買いは少し改善?
13日の金曜日から約1週間後の19日。この日は前回よりも穏やかな雰囲気に戻っていたような印象です。在庫も復活しているものもありましたし、ちょっと落ち着いてきたかな?という感じ。
19日の昼過ぎにHEBで在庫がなかったものは確認できたものでは
- 鶏肉全般
- 牛ひき肉
- 小麦粉
- 卵
- トイレットペーパー
ジャガイモとタマネギ、トマトは在庫が復活してました!良かった!
またお米についても、HEBブランドのお米はありませんでしたが代わりにバスマティ米が入荷していました。私たちは今回初めてバスマティ・ライスを購入してみたのですが、結構美味しいですねぇ。
残念なのは卵と小麦粉ですねぇ。今回は昼過ぎに行ったので遅かったのかもしれませんし、次回は午前中に行ってみたいと思います。
生鮮食料品は13日からほぼいつもと変わらず揃っていました(写真は13日)。生野菜もありましたし、お肉も豚肉は豊富にありました。13日には無かったジャガイモが復活してましたので、そう考えると食べるものに困る…ということはないでしょう。そう考えると安心ですね。
ところで、牛ひき肉が品薄なのはなぜでしょう?ステーキやBBQ用の大きな牛肉は残っているのに、なぜかひき肉がないのです。ご存じの方いたら教えてください!
あ、あと大事なことですが、こんなに殺伐としていても未だにアジア人差別されてないです!もうアジアが云々言うてる段階じゃないしね。
おわりに―対岸の火事だと思ってた新型コロナウイルスが現実になった。
恥ずかしながら、隔離する基地の一つにサンアントニオの空軍基地が含まれているという情報を遅れて得たので、正直ちょっとだけびっくりしました。今まで地理的に遠い国の話だと心のどこかで思っていたことが、自分の住んでいる街という物理的に近い場所も現場になったことで、突如として現実になった感じです。しかもメソディスト病院知ってるわ…あそこだわ…みたいな。
ただ、こういう非常時のアメリカの対応は結構信頼できる気がするので、私個人の気持ちとしてはそれほど怖い感じもしていません。チャーター便からの基地で隔離、さらに感染症に対処できる施設を持った病院で治療ですからね。全然日本のグダグダした対応とは印象が違います。
今後どうなるのかはまだわかりません。隔離されている人々の中からも徐々に陽性反応がでてくるかも?ということも十分に考えられるので、数字の上では増加する可能性も十分ありますよね。
またアメリカでは新型コロナウイルス以上に猛威を振るっている今年のインフルエンザですが、インフルエンザに似た症状の患者に対しても、新型コロナウイルスの検査をするとのこと。
AFP:米、インフル症状に新型ウイルス検査へ 対策を大幅強化
今後、インフルエンザが実はコロナだった!とかで統計的に新型コロナウイルスの感染者数が増えたとしても、ただ見えてなかったものが可視化されたに過ぎないので、実際の感染に関してはあまり状況は変化しないのでは?とも思ってます。
この予想については訂正したいと思います。ニューヨークの状況もかなりひどいですし…。
何はともあれ、心配しすぎてもどうしようもないですしね!食事&睡眠に気を付けて体調をできるだけ良い状態にて、手洗い&うがいもしっかりしましょう!
トランプ大統領による大規模災害宣言(3月25日)の後の様子はこちら
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