【フランス配偶者ビザ入手録】コロナのせいで国際別居婚になりかけた話【in アメリカ】
2020年10月24日この記事は、アメリカに滞在するフランス人と日本人の夫婦が2020年コロナ禍(Covid-19)の最中、ハラハラドキドキしながらアメリカでフランスの配偶者ビザを入手する過程を記録したものです。
コロナ禍でフランスのビザが取れなかったら国際別居婚になってしまう~!という当時の不安な気持ちを時系列で書いています。アメリカでフランスのビザを取得するという手続きについてはわかりやすくまとまっているわけではありません。
すーごく大変だったアメリカからフランスへの入国記はこちら!ぜひ読んでほしいよ!
日本在住の日仏夫婦がアメリカの非移民ビザを申請した話はこちら!
Contents
3月、シェンゲン閉鎖&フランスの新規ビザの受付が停止
当初の予定では8月末にはフランスに帰るつもりだったので、その6か月前の2月末頃から書類の準備に取り掛かりました。なので入国予定日の3か月前にあたる5月から6月頃にビザ手続きに入るつもりでした。
しかし3月になると、「なんかコロナやばいらしいぞ~!ヨーロッパやばいらしいぞ~!アメリカもやばいかもだぞ~!」という雰囲気が満ち満ちてきて、いよいよシェンゲン圏が閉鎖。シェンゲン外から入国できないので、それに伴って大使館のビザ業務も停止。
ビザの手続きする専用のサイトがあるのですが、これも画面が進まない状態で、必要書類の確認もできませんでした。
今まで発行済みのビザも入国していない人の場合は取り消しだとか、既にビザ取得して渡航直前の人とかどうなるの?って混乱している雰囲気をTwitterで眺めていたのを覚えています。
でもよ、この時はぶっちゃけ他人事だったの!
「大変だなぁ…かわいそうだなぁ…」と思えど、
まぁ私たちが渡仏する頃には手続きも再開されてるでしょ!と楽観視していたのです。
ポジティブな夫がめずらしく懸念を示すなど…
そんな中、夫が危機感を口にしだしました。
うちの夫はさっぱりした性格でポジティブがデフォルト。私のように不安になることも少なく、いつも「何とかなるでしょ~」っていうスタンスで生きてるんだけど、ここにきてフランス帰国に関していくつか不安があるらしい。
夫曰く…
まず、11月のアメリカ大統領選挙に関連してどうなるかわからん不安。
「大統領が何しだすかわからなくてこわい。勝っても負けても、めんどうなことをやりそう」(後日ポートランドみたいなことになりそうで怖いとも言ってた)。つまり仮にビザを入手できたとしても、そんなごちゃごちゃした街を抜けて空港まで移動とか、大丈夫か不安。なのでなるべく早く、11月より前に脱出したい。
次に「アメリカからの入国であることがどこまで影響するのかが気掛かり。」
夫がこういいだしたのは夏前だったのですが、この時期、フランスよりもアメリカの方がコロナの状況が悪かったんですよね、確か…。当時の不安は、ビザが入手出来ても、入国の可否は入国管理官の裁量次第(これはどこの国でも同じ)。なのでコロナが爆発的に増えてるアメリカから、というのがどこまで影響するのか…なんてことを不安に思っていました。ただ、このアメリカ&フランスのコロナの流行状況は10月現在フランスも負けんくらい激烈にやばいのでそこまで気にしなくてもいいかなぁ、とか。
5月、別居婚の可能性がちらつく
5月。待てども待てどもビザ手続きが再開される様子はありません。
当初の予定で申請を開始する5月になっても、一向にシェンゲン外からの入国についての話題は進展しないし、ビザの手続きを行うサイトも動きません。
これは「アメリカ滞在を伸ばす必要が出てきたぞ…」不穏な気配を感じつつも、私達には待つことしかできません。一応この時には婚姻を証明する書類はフランスから届いてました。でも何もできないので、ひたすらニュース見て調べてどうするか考えては不安になって…の繰り返し。
万が一、アメリカのビザが延長できず、フランスの配偶者ビザも取得できず、日本が鎖国状態を続けるというのなら、私達夫婦はそれぞれ自分の母国に帰るしかない。
つまり結婚5年目にして、コロナ禍による遠距離国際別居婚!しかも終わりが見えない遠距離、辛すぎる。マジで本当に絶対嫌、これだけは避けたい。
6月、仏ビザのwebサイト再開も受付センターvfsが動かず
鬱々としつつ、睡眠の質が落ちてきた6月。
6月18日にビザの手続きのサイトを確認したところ、再開している!!!!やったー!!!歓喜しつつ、夫とビザの書類作成をし無事に完了!
3月のシェンゲン閉鎖から3か月後の6月にようやく、ビザの手続きを進むことができるようになりました。
このまま取得できれば、もしかしたら予定通り8月末にフランスに帰れるかも?
…と期待するも、最後のステップ、面接日の予約が完了できないだとッ…?!
フランス政府側のビザの手続きサイトは上記のように動き出したんですが、書類を受け付けて面接する受付センター=vfs側のサイトが動いていない!?
(どういうことやねん…ていうか、領事館で面接するんじゃないんだな…とこの時気付く)
7月に入り、アメリカのビザセンターが再開するも…
上記の困惑から約2週間後の7月、ようやくビザ受付センターのサイトが動き出しました。
この7月時点では、ロサンゼルス、サンノゼ、ワシントン、NYなど一部のセンターのみ予約可能。
でも私たちの最寄はテキサス州ヒューストンです。一度面接予約ができるようになったわけだし、ヒューストンも近いうち再開されるよね!と、また楽観視していたんですわ…。
しかし時は空しくも過ぎ去り、7月20日時点で開いているセンターはワシントンのみ。むしろ受付窓口の数は減少しているではありませんか…。もちろんヒューストンのvfsは再開されません。なんでなん…?ヒューストンのvfsさん、起きて!
7月、ビザなしでフランスに滞在する方法を考え始める。
不安が不安を呼び、こうなったらビザが取得できない場合を想定して、ビザ以外の方法で入国&滞在することを模索したりもしてました。
2020年7月当時、フランスは基本的にアメリカからの入国を拒否していたので、日本国籍を持つ人であっても、原則として入国できません。しかし私はフランス人の夫の配偶者なので、結婚していることを証明すれば入国は可能と言えば可能っぽい雰囲気なのです(ふわふわ)。
ビザを取得しないで入国&滞在する?
というのも、フランスにはmouvement familialという制度があります。
文字通り、フランス人夫の家族だから入れて!ってやつです。このmouvement familialで入国した後、滞在先の県庁で滞在許可証を発行してもらう、と。ここで、フランス人と結婚していること、さらに結婚して一定の時間が経過していることを証明する書類を県庁に提出すれば、滞在許可証をもらえるよ、ってわけです。
まとめると、ビザがなくても入国後に県庁から滞在許可証を入手できれば、フランスに滞在はできるのですね、一応…制度的には…。たぶん滞在許可証の更新の時とか、めーっちゃめんどくさくなりそうな予感しかしないけど、一応そういう制度はあるっぽい。
ちなみに上記のmouvement familialの情報は、在ヒューストンのフランス領事館と夫の実家がある県庁にメールで問い合わせた内容に基づいています。でもね、ビザや入国情報は昨今の事情で刻一刻と変化するし、県庁職員とのやり取りがうまくいかなくて滞在許可証もらえなかったりとかザラにあるので、もし同様のことを検討されるのであれば、フランス政府、滞在先の県庁などの公式情報を必ずご自身で問い合わせて判断したうえで行ってくださいね。
ていうか、mouvement familialで入国&滞在できるんなら配偶者ビザって何なんでしょうね?
おわりに―国際情勢が不安すぎてフランス国籍に変更したくなったり…
このビザを申請するまでの右往左往している時期は、戦時中ってこんな感じだったんかな、と想像しました。
結婚した当時は、結婚というのは割と国際社会で保証されてて、国籍の違うカップルが様々な国を移動するには一番だろうと思っていたんです。
でも非常事態では国際カップルというのはかくも不安定な関係なのね。所詮ビザは各国の行政とか政治に依存しているから、それぞれの国が閉じてしまうと宙ぶらりんになってしまう。
もうこんな不安でめんどくさい状況はうんざり。うんざりついでにフランスの国籍を取得した方が良いんじゃないか?とも思うのです。
次の記事!
移動が多い人生の皆さんへ、私はこんなもの買ってるよ~!
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