
【フランス東部】アヌシー付近の日帰りドライブ:NantuaとIzernoreで中世建築&歴史!
2020年12月30日フランスの東部といえば湖と山ですが、やはり欧州、小さいけれどかなり歴史が古いという街や村があります。
今回はそんなフランス東部の歴史ある街ナンチュア(Natua)と、古代ローマ以前にさかのぼる村イゼルノール(Izernore)をご紹介。
フランス東部アヌシーやその近辺に遊び来たら、ぜひドライブがてら歴史探訪してみましょう!
アヌシーからちょっと遠出してNantua(ナンチュア)へ!みどころを紹介
アヌシーから車で約1時間20分ほど。Ain県にあります。
山に挟まれた谷の底に位置するので、特に冬場は太陽光が少ないようですね。
水鳥が多く集まるナンチュア湖。水は透明でとても綺麗です。
湖沿いには子供用の公園と遊歩道があります。ベンチがあるので湖を眺めながら昼食もとれますね。
市庁舎や銀行など、街中に立派な建物が散見されます。
こちらは銀行。現在も銀行なのか、それとも別の用途の建物なのか。
第二次世界大戦中は小さい街にもかかわらず、ナチスに抵抗し続けた街ということで、ナチスへの抵抗を記念した博物館もあります。現在は新型コロナウイルスのせいで休館中。
旧修道院(現在小教区教会堂), monument historique
ナンチュア観光のもう一つのみどころは、ここサン=ミッシェル教会堂。
現在は小教区教会堂ですが、元々は修道院でした。ナンチュアの街も元々は何もないところに修道士が集まってきたことが起源なんですって。
でも中世の修道院全体の配置についてはわかっていることが少なくて、一番古い図面んで残っているのは1692年。1992年に10世紀に破壊されたと推測される古い教会堂の痕跡が発見されてます。ちょうど現在の教会堂の南外壁と古い教会堂の南外壁が重なるみたいです。
写真でわかる通り、ファサードは保存状態が悪いのです。これはフランス革命の時に破壊された痕跡なのですね。破壊行為が行われた当時の価値観が残っているともいえるけど、こういう建物が好きな身としてはやっぱり悲しい気持ちになりますねぇ…。
向かって左の柱頭です。こうやって見ると、建物の表現などに繊細な彫刻が施されていることがわかります。人物も残っていれば、さぞ美しかったことでしょう。
管理人メモ:
1825年に出版されたVoyages pittoresques et romantiquesという本によると、この教会堂の様式は「ロンバルド様式(style lombard)」と呼ばれ、ローマ末期(または東ローマ時代)、そしてギリシアの退廃期のものだとされています。また同書によると特にタンパン(半円形の部分)の主題はアポカリプスで、ビザンツの流派の影響がみられるとされます。(ただし現在の知識では後述するようにロマネスク様式という語を使用します。)
しかし、ここまで彫刻が削り取られていてどうやって主題を見分けられたんでしょうか。19世紀当時はもう少し彫刻が残っていたんでしょうか、それとも観察とは別の知的源泉、または例えば「退廃の時代には最後の審判を主題として選択することが自然であった」というに慣習的に判断したのでしょうか...。
正面入口の主題についてはこちらのリンクが詳しいので興味がある方は是非!>>正面入口の主題について(フランス語)
教会堂内部はこんな感じ。ロマネスク建築(11世紀)だそうです。北側の壁がかなり歪んでいて、建設した中世の職人の人々は大変だっただろうなぁ、と思いを馳せます。
外に出て南側まで回るとこんな感じで鍾塔を見ることができます。
飛梁は16世紀のもの。鍾塔は革命の時に被害を被ったらしいので、この鍾塔はそれ以降の再建か修復か?
Nantuaから20分、ガロ=ロマンの村イゼルノル(Izernore)へ
さて、ナンチュア湖の向こう側へ車を走らせましょう。約20分で、プラスチック製品の工場地帯の向こう側にイゼルノル(Izernore)という村があります。
イゼルノルも水が豊かな場所で、今でも水が湧きだす洗い場があります。
水源は、なんとガロ=ロマンの頃から!!!!なんて古さ!
水場付近の建物はReydellet家によって1850年に建設されたもの。
そしてさらに神殿の遺跡も残っています。
解説によると、マルスかメルクリウスにささげられた神殿のようで、1840年にmonument historiqueに選定されました。
おわりに-ナンチュアのお土産は名物Sauce de Nantua(ザリガニのソース)!
ナンチュアへの小旅行、いかがだったでしょうか。
お土産には、Nolo Frèresのソース・ド・ナンチュア(Sauce de Nantua)がおすすめです!ベシャメルをベースにしたザリガニのソース。甲殻類独特のコクと風味が楽しめます。
Nolo Frèresは工場がナンチュアにあり、ナンチュア周辺のスーパーやお肉屋さんでも見つかります。私はIzernoreのお肉屋さんで見つけました。リドル前のこの工場では販売していないようなので注意。
ソース・ド・ナンチュアはリヨン名物のクネルに合わせます。クネルはカルフールなどのお近くのスーパーで入手可能です(ぜひ魚肉の割合が高いものを選んでくださいね!)。
関連記事:フランス東部の山でロマネスク建築を探している人はこちらの記事もどうぞ!
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