フランスの家族と過ごして考えた「日本っぽいもの」や国籍の話【カンクン旅行記②】
2019年12月27日メキシコ・シティ空港にて困惑し、初めてのオールインクルーシブの巨大さにビビりまくる管理者。
3日目の夜(オールインクルーシブ滞在2日目)はなんと日本食を楽しめるらしい!ということで心躍っていたものの…
1つ前の記事はこちら:
「日本っぽいもの」「アジアっぽいもの」について日本食レストランで考える。
Ocean Coral Turquesa滞在2日目の夜は、皆様に気を使ってもらって日本食レストランで食事をした。
なんと鉄板焼きだった。熱くなった鉄板の前で「先生」と呼ばれるシェフが派手な動きで切ったり焼いたり燃やしたりしていた。
正直に言うとパフォーマンスが主で、食事はまぁ私の方がうまく作れるぞ、というレベル。まずくはないがレストランで出す食事ではないだろうという感じ。
でもオールインクルーシブというエンターテインメント要素の強いホテルでは、このパフォーマンスはウケるんだろう。
パフォーマンスがメインなのに日本食レストランという看板を掲げていたりするのを見ると、アジアから遠い国の人々は極東に対して独特のまなざしを持っているような気がしてならない。そのまなざしに対して「良い」「悪い」といった判断には個人的には興味がない。
ただ、どのような過程を経て日本人からみると独特な「アジア的なもの」が、アジアの外で成立したのだろう。
サンアントニオの日本庭園の記事も、このような視点で執筆した。
ここは日系移民の1世にも由来する日本庭園なのだが、1世が関わっているのに「パゴダ」をはじめ庭園全体としては日本的な要素が薄いように見えたりもする。どのような過程でこの庭園の計画が行われたのだろうか。アジア的、日本的なものは外国でどのように咀嚼され受容されたのだろうか。
アジア系移民の歴史に特化してまとめた本を少し前に読んだのだけど、その本では文化的なものの受容や解釈について語られてはいなかった。もしこれを読む読者の方の中でアメリカにおけるジャポニズムやオリエンタリズムについてご存じの方はご教示いただきたい。
レストランを出た後、一応「オーセンティックな日本食かと言われると、中華っぽさがあるので何とも言い難いこと」「でも味は悪くないこと、特に前菜の巻き寿司は美味しかったこと」を述べておいた。(※そもそも「オーセンティックな日本食」って何だろうね…ラーメンはオーセンティックなのだろうか?お好み焼きは?)
「~人」という表現方法と単国籍&重国籍
今回のカンクン旅行には、義母と旦那さん、さらに義妹とその彼氏も参加していることは先に述べた通りである。
この彼氏はドイツとアメリカの国籍を持っているのだが、私はTwitterで「アメリカ系ドイツ人」と述べた。何となくこの「~人」という表現の仕方にもしっくりこない感じがしている。
文章中で彼の出生について言及する場合は「ドイツ系アメリカ人」とか「アメリカ系ドイツ人」などと書かざるを得ないが、どちらで書いてもまるで「アメリカ人」か「ドイツ人」という単一の国籍を持つ人のように見える。「~系」の部分が「~人」に対して従属的にみえる気がして、どうもなぁ、と思うのだ。
「ドイツ系アメリカ人」と述べる場合は、例えばドイツからの移民に由来する家系のアメリカ人ということを表現したい場合もあるだろうし、他にも「アメリカ人でありドイツ人である」という2つの要素を並列して述べたい場合もあるはずだ。
「~系○○人」という表現をしたときの私の違和感は、日本人の両親を持ち日本で生まれ育った私にとって複数の国籍を持つ状況にはないからかもしれない。複数の国籍を持つ状況を自然な感覚で想定できていないというか。
ただ義実家の人々も似たようなものかもしれない。
私が日本は原則国籍を一つしか持てない国であると説明すると非常に驚かれた。私がフランス国籍を取得する場合、決まりに従うなら日本国籍を捨てることになる、と言うと「それは悲しいことね」と。
カンクン旅行記③に続く…
カンクン旅行記①はこちら
――――――
当ブログはカンクン旅行記事以外にも、アメリカ南部の町サンアントニオの観光情報や
アメリカ生活情報も書いてます。
当ブログの最新記事はこちらから!
では最後まで読んでいただき、ありがとうございました!