【アトピー持ち】フランスで皮膚科の薬を入手する方法【医者の見つけ方/手順/支払い】
2021年2月22日フランスの病院&通院システムはひたすら複雑。
公的保険とプライベート保険が入り乱れている分、正直アメリカの保険の構造よりもヤヤコシく、フランス人ですら正直理解できているかあやしい…。
さらに医者にかかる手順も日本とはちょっと違うので、皮膚科にかかりたくてもどうすればいいかわからない…。
そこで今回は、実際にアトピー治療のために病院にかかった私がわかる範囲でフランスの病院と健康保険システムをまとめようと思います。
目次を付けているので好きなところから読んでくださいね!
Contents
フランスのわかりずらい健康保険制度(医者の種類と健康保険)
まず、フランスの医者の種類には2つある。
フランスのお医者さんは、アメリカと同様に大まかに2種類に分かれます。
①一般医=かかりつけ医、いわゆる街のお医者さん的なやつ。公立私立どちらもあります。
②専門医(耳鼻科/皮膚科/婦人科などなど…)、公立私立どちらもあります。
基本的にはまず①かかりつけ医(一般医)にかかります。
一部、眼科など例外はあるのですが、専門医にかかるには一般医から紹介状的なものが必要だったりします。皮膚科もかかりつけ医に一旦診てもらうことになります。
日本だと皮膚疾患は皮膚科に直接かかるので、フランス(やアメリカ)のシステムはわかりずらいですよね。
また病院の種類としては、ざっくりと、大きな公共病院、小さなクリニック(街にある)、urgentなどがあるんですけど、病院の規模や役割については今回それほど関係ないのでここでは省略。
公的健康保険&プライベート保険のシステムも複雑
更に健康保険が複雑。働いてる人は給料天引きなのでなされるがまま身を任せるとして、問題は私のような働いていない人などなど。
ここでは働いてない私みたいな人の健康保険について話します。
(mutuelleに入るとかどうのこうのはパートナーやその会社などによって様々なのにご留意ください)
ミニマムな健康保険(いわゆる”セキュ”)
フランスに長期的に滞在する人は公的な健康保険に加入できます。さらにありがたいことに、最近コロナのおかげで3か月待たなくても加入できるようになりました(2020年末ごろに確かそういう法案が通った)。これが社会保障番号と繋がっている最低限の健康保険。
この社会保障番号があると、基本的に病院にかかる場合は3割の負担でOK。
良く耳にする「フランスの病院は無料」というのは多分加入しているmutuelleの具合によるんだと思います。基本は3割負担で、さらにmutulleによってその負担額がもっと減る→結果的に負担額0みたいな感じらしいです。
CMU(公的なmutuelleみたいな)
次に、収入がない/少ない人の場合はCMUでさらに保障されます。これは公的なmutuelleとも呼べるもので、社会保障で保証されない部分の健康保険システム。例えば眼鏡はこのCMUに該当するのですって。
プライベート健康保険(mutuelle)
さらに人によってはさらにmutuelleという保険に加入します。
これは私設の保険で、社会保障が負担しない分を負担したりします。話を聞くところによると、どうも勤務先が提供していたりもするらしいんですね。配偶者が入ってるmutuelleにそのパートナーも入れたりします(安くなったり、何かしらのベネフィットがあるか否かは勤務先やmutuelleによる)。
個人で入る場合は、プライベート保険なので色々ある中から事前に調べて加入するわけです。例えば、眼鏡に対して手厚く保証していたり、特定の眼鏡屋と提携しているmutuelleなどもあるらしいです。
…というわけで、フランスの健康保険はいくつも層に分かれていて、しかもこの加入具合によって自己負担額の程度が変わる。CMUまで加入できていれば、基本的に多くの場合で病気や疾患は自己負担額はとても少額(か無料)らしいですね。
ちなみに後述しますが、社会保障番号のみでカード本体がない場合、一旦は自己負担で諸々を支払うことになります。カードがある場合は少ない額か無料(公的健康保険が全額負担)でOK。
※以上のように理解しているんですが、ほんとに複雑で私も勉強中です。これは間違ってるぞ~という情報ありましたら是非、コメント欄にお寄せください。その都度調査&訂正します。
フランスで皮膚疾患(アトピーやニキビ)のため一般医にかかる手順
まずはジェネラリストを探す!
良くあるのは家族が言ってる一般医に自分もお世話になるという方法。何年もかかっているお医者さんの方がn用できて良いよね、っていう感じで。近所に同僚や友達が住んでいる場合はオススメを聞くのも良いかも。
でも私のように、ちょっと義理の家族とも離れて暮らしてるとか、全くの異邦人です!という場合は、ネットで探す。>>私が使ったサイトはこちらのDoctolib
軽度な皮膚疾患は基本的にジェネラリスト(一般医)で完結
基本的にアトピーやニキビなどの慢性的で比較的軽度な皮膚疾患の場合、一般医が処方箋を発行してくれる。
ジェネラリストが皮膚科に行くべしと判断した場合(それぐらい重篤な疾患)の場合、一般医から紹介状を書いてもらって、専門医に行くことになる。私の場合、直接大きな病院に電話してみたんだけど、皮膚科は基本的に紹介状がないとダメらしい。
carte vitalの現物がまだ手元にない場合
健康保険の手続きが完了しているけどいまだにカード(carte vitale)が手元にないという場合、実質の支払費用はカードの有無と関係がないので安心してほしい。
あなたのフランスの公的な健康保険(社会保障)の加入手続きが完了してたら、手元に番号付きの書類が届いていると思う。
カードの現物が手元にない場合(番号付きの書類のみ手元にある場合)、窓口でいったん全額を支払う必要があるが、この番号を使うと最終的に過払い分が払い戻されるらしい。
アトピー治療薬の内訳&費用、保湿剤はフランスでは健康保険の適用対象外?!
かかった費用の内訳は、
一般医に診察してもらい処方箋(抗ヒスタミン薬とステロイドの塗り薬)を出してもらうのに25€。
>>>後ほど書類を提出して払い戻し手続きをするらしい(まだしてないので、手続きができ次第更新する)
さらに私の場合、薬局で30錠入りの抗ヒスタミン薬と塗り薬1本で4€。
>>>これは既に社会保障によって値引きされた値段。
なんと保湿クリームは払い戻しの対象外!
ここでアトピー持ちの人は気付いたと思うが、保湿剤は購入していないのです!
一般医からも説明されたのですが、フランスは保湿剤は社会保障の還付対象ではないのだとか。なんてことだ!
関連記事:敏感肌用のミクサはこちら
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おわりに―フランスのステロイドの塗り薬は処方箋が必須
フランスの場合、ステロイド入りの塗り薬は弱い薬効のものでも処方箋が必要とのことなので、アメリカのようにAmazonやスーパーで気軽に購入できなません。これはまいった。
なのでフランスに長期滞在するアトピー持ちの人は保険の手続きが完了するまでの期間をどうにかしのげるように、かなり多めに薬を持ってきておいた方が良いと思います。
また費用については、今のところ日米とフランスを比較しても安くもなく高くもなく、といった印象です。
※2021年3月追記…ステロイド薬だけなら薬局で1€程度で購入可能(もちろん保険適用後の価格)で、1回に2本(またはそれ以上?)を処方してもらえることがわかりました。しかも処方箋は1年間有効なので、保湿剤(下記)の件に目をつぶるならやはりフランスの医療費自己負担額は安いぞ…と思っております。
例えば、日本の場合は医者にかかって2週間分の薬(保湿剤込み)をもらって約3000円~4000円しない程度でした。
フランスで一般医の診療費が7割帰ってくるならフランスの方が日本より安いんですが、フランスは別途で保湿剤を購入する必要があり、これが結構高いのです。アベンヌの保湿剤が1本22€とか…。
意外にも、軽度なアトピーの場合は大容量のステロイド剤を購入できるアメリカが一番安く、また気軽に治療できるかもしれない…?という感想も抱きます。
関連記事:アメリカで高額医療費を回避したくて市販薬でアトピーをどうにかしようとしてた話
他にもアヌシー周辺の情報を知りたい人はこちらのタグ#アヌシーへ
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